カーシェアリングで期待される社会的メリット

現在のカーシェアリングにはさまざまな社会的メリットが期待されています。
それは単純な利用者の経費削減といったようなものではなく、れっきとした社会全体に対する貢献です。

と言われてもすぐにはイメージ出来ない人の方が多いでしょうから、ここでは「カーシェアリングが社会にもたらすメリットとは何か」をテーマとして見ていきましょう。

最初にあげられるものは交通渋滞の緩和

まず最初にあげられるメリットは交通渋滞の緩和です。

日本では個人単位で車を所有するのが当然といった考え方が広く定着しており、特に都心部では平日・休日を問わず多くの車が行き交うようになっています。
しかしこうした多くの車が行き交うということは、それだけ道路では渋滞が発生しやすいということです。

渋滞が発生すれば人や物の流れは滞ってしまいますし、アイドリング中の車も排気ガスは出します。
つまり交通渋滞が起きるということは、社会における効率を低下させて環境を破壊するということになるわけです。

ですがカーシェアリングの利用者が増えれば当然「借りられるから車を持つ必要は無い」と考える人が増えますし、そうなれば社会全体における車の総数は減少します。
車の総数が減少すれば交通渋滞は当然緩和されますから、カーシェアリングには交通渋滞の緩和とそれに伴う環境負荷の軽減が期待出来るのです。

旅行者を増やす効果も期待出来る

次に社会的なメリットとして挙げられるのが、旅行客数の増大です。

現在の日本国内におけるカーシェアリングは主に短時間・短距離での利用を想定しているものが多いですが、日本という国は世界的に見ても優れた交通網を有する国です。
JR、フェリー、飛行機といった国内交通網は日々多くの人に利用されているわけですから、こうした交通網とカーシェアリングのステーションをうまく配置すれば、「旅行先でも車に乗れる」ということで旅行客数の増大を見込めるわけです。

観光業の発展は都市圏よりも地方におけるメリットが大きく、仮にこの効果が大きい物となれば地方が持つ人口流出による税収の減少などに対して歯止めをかけ、観光業振興による雇用の創出も期待できるでしょう。

間接的に医療費抑制の効果も期待出来る

またこれらとは別に、カーシェアリングの普及は間接的ではあるものの、国民の健康にも寄与するのでは無いかとされています。

例えばマイカーがあって当然という環境ではちょっとした距離の移動にも車を使ってしまうでしょうが、もしカーシェアリングが当然となれば自然とステーションまで歩く習慣がつきます。

一日あたりの移動距離は少なくとも「歩く」という習慣が身に付くことは非常に大きいことで、運動量が増えれば生活習慣病患者の数を減らせる可能性もあるわけです。
少々こじつけ的な部分があると言われればその通りですが、こうした効果があることも期待できるわけですから今後さらなる普及を期待したいサービスと言えます。