カーシェアリングが抱える今後の課題とは

カーシェアリングは今後の社会において非常に重要度の高いものとなることはほぼ間違いないだろうという見解が広がっていますが、しかし今後普及していくことが出来るかというと、課題がまだ多くあると言わざるを得ません。

カーシェアリングの最も大きな課題

まずカーシェアリングという事業スタイルが持つ課題として特に大きいのが
「経費変動への弱さ」です。

これまで自動車を借りて利用する方法として主流であったレンタカーの場合、その自動車の運用に必要となるガソリンの代金についてはほぼ間違いなく利用者の負担としていました。利用者はガソリンが満タンの状態で車を借りて、返却する際にもガソリンを満タンにしておくことが基本だったのです。

しかしカーシェアリングの場合はどうかというと、これはガソリンは事業者が負担するのが通常です。車ごとに発行された専用のカードを使って給油するわけですから、消費者が負担をすることはほぼありません。

これこそが消費者にとってのカーシェアリングのメリットですが、もしガソリン価格が高騰すればそれだけ事業としてのカーシェアリングの採算性は悪化することになるでしょう。

ガソリン価格よりも安定している電気を用いる電気自動車を拡充して対応するという手が無いわけでもありませんが、カーシェアリングはまだ日本国内でそこまで需要が高いわけではありませんので、高額な電気自動車を何十台も配備するほどの理由が今ひとつありません。

コスト面の問題

加えて課題としてあるのが事業として参入する際に必要なコストの問題です。
カーシェアリングという事業を運営するために参入するにはとにかくお金がかかります。

自動車を購入する費用だけでもかなりの金額になりますし、運転免許証の情報をどのように管理するのか、交通事故が発生した時に備える保険はどうするのか、経年劣化によって車両の入れ替えが必要になった場合はどうするのかなど、コストとしてかかるものを上げていけばきりがないのです。

既に自動車業界で活動している中古車チェーン店や資本力に優れた大企業であれば参入機会がありますが、中小業者が参入するには大きな障壁がかなり多くあるのは否めません。

ですが大手でも2011年から2012年にかけて事業撤退を行うような状況にあるわけですから、リスク管理を徹底する大手企業だからと言って手放しで参入できる状況にはないことも事実です。

まとめ

最初にも少しふれたように、カーシェアリングという事業自体は今後の社会において重要度の高いものになるのは間違いありません。
環境負荷のことを考えるのであればこれはなおさらのことでしょう。

しかしだからこそ、こうした課題についてどのように取り組んでいくのかを考えなくてはならないわけです。民間企業だけでは解決できない部分も多いため、より普及を狙っていくのであれば行政の補助なども必要になってくることでしょう。