カーシェアリング業界、今後はどうなる？課題点や国内外の状況は？

日本におけるカーシェアリングはまだまだ普及したサービスとは言い難く、業界としても成長途上の状態にあると言えます。
大手の事業者が参入することで全体的には活気付いていますが、今後の動向について疑問視する声が出ることも少なくはありません。

そうした状態であるために「カーシェアリングが今後どうなるのか」という議論も良くされるのですが、少なくともある程度好意的な見方が強いといえます。
ではどうしてそう言えるのか、その根拠について見ていきましょう。

現在の日本で普及できる土壌はある

まず現在の日本における普及についてですが、普及できるだけの土壌はあるでしょう。
これは地域にもよりますが、例えば東京をはじめとした都心部では間違いなく需要があります。

もともと日本は山林が多いという特性のある地域であり、人が住むことができる土地の規模はかなり限られたものでしたし、現在の状況をみると都心部への人口流入が強いために、都心部ではかなり深刻な土地不足になっています。

東京で車を持つとなると、駐車場を持つためだけに毎月数万円を支払わなくてはならないというのも一般的な光景ですから、そうしたランニングコストが業者側に転嫁できるカーシェアリングが普及する土壌はあると言えるのです。

課題となるのはステーションの配備

しかし現状ではまだ課題が多いのも事実で、特に大きいのがステーションの不足です。
ステーションとはカーシェアリングで使用する車を配置する駐車場のことで、都心部だとある程度の数が用意されるようになっていますが、都心部を外れた地域になるとステーションの数はかなり少ない状態にあります。

特に、住宅地のステーションについてはまだまだ不足していると言わざるを得ず、業界全体の課題となっています。

もちろん、業界全体の動きとしてステーションの数を増やすようにはなっていくでしょうが、それでもステーション数が少ない現段階では、すべての人にとって利用する価値のあるサービスであるとは言い難いです。

国外の状況はどうか

さて、ではここで少し視点を変えて、国外の状況について考えて見ましょう。

これについては国によって大きな差がありますが、例えばアメリカでは事業者によるカーシェアリングの提供だけではなく、個人間のカーシェアリングの提供が積極的に行われています。
特に、スマートフォンなどで利用できるアプリによって自動車を借りられるため、今後需要が伸びていく可能性は極めて高いです。

また、ドイツやスイスといったヨーロッパ諸国も概して普及しており、ドイツは環境保護への取り組みが推進されているために、スイスはカーシェアリングという思想が生まれた地域であるために、かなりの利用者がいます。

注目するべきは「環境保護」という部分で、これは世界第三位の経済大国である日本も多いに見習うべき部分でしょう。