カーシェアリングの歴史や今後の課題について。日本と海外の場合

環境問題が真剣に考えられるようになり、資源を有効利用しようと考える人が増えています。中古などのリユースは昔から行われてきたことの一つです。

最近では１つのものをみんなで使おうという、シェアリングエコノミーという考え方があります。
CDやDVDのレンタルなどは歴史のある事業としてある意味それに該当します。個人宅の空いている部屋に旅行者を泊める民泊もその一つです。

車の利用においても同じような考え方があります。企業が提供する車を、不特定多数で共有するのがカーシェアリングです。

カーシェアリングの始まり

カーシェアリングの歴史はスイスから始まったと言われています。

都心部にたくさん車両が流入したことで荒廃が進んだという経緯から、公共交通機関を拡充して車両の流入を規制する取り組みが始まりました。

その結果、住民たちは都心で車を持てないという状況になったため、郊外に共同で所有するという方法を考え出しました。その後事業として始める企業が生まれました。

最終的に、吸収合併を経て大きな規模の事業者だけが残りました。今でもスイスでは国家主導でカーシェアリングを推進しています。

日本のカーシェアリングの歴史

日本で現在主流となっているシステムの歴史は、そう古くありません。
最初にこのようなシステムを活用したのは外車専門の事業者で、普段乗ることのできない車種を共同で利用することで使いたい時だけ乗るというシステムでした。

目的が限られていたため普及することはなく、しばらく空洞期を迎えます。その間、車を所有しない人にはレンタカーが主に利用されていました。
公共交通機関の整備が進み、景気が伸び悩む状況で、維持費のかかる車を所有する人が減りだしました。

しかし、車の利用は必要と考える人も多く、レンタカーよりも自由に使えるシステムを求める声が多くありました。
そこで2002年ごろから、現在と同じシステムを導入する企業が出始め今日に至ります。

カーシェアリングの課題

現在では、自ら会員を募集して用意した車両を貸し出す事業者や、システムを提供して自らでは貸し出さない事業者がいます。

前者は、時間貸し駐車場などの一角を使って、決まった車両を置いて共有するシステムで運用されています。
後者は、マンションなどの限られた使用者が、車両を共有するためにシステムを提供しています。

現時点では使える車種が目的に合わないことや、近くに基地局がないなどの課題は残っています。
今後、さらに普及することにより、各社のサービスが向上することで解決に進むと思われます。